「眼圧が高い」と指摘された

    「眼圧が高い」と指摘された

    健康診断や人間ドック、眼科受診の際に眼圧を測定します。その際「眼圧が高い」と指摘される場合があります。「眼圧が高い」ことについての、患者さんからの質問をまとめてみました。

    眼圧って何?

    眼球の硬さです。
    例えていうなら‥‥空気がたくさん入っているゴムまりは固く、少ないと柔らかいといえば、イメージできるでしょうか?

    眼圧の正常値は?

    一応、10〜20mmHgかな?

    一応ってどういうことですか?

    眼圧が高いと緑内障の可能性が高いのですが、眼圧が20を超えても緑内障になるとはかぎりません。
    逆に、20以下でも緑内障になる人もいます。
    ただ、眼圧が高くなるにつれ、確実に緑内障発症のリスクが上昇します。

    眼圧が高いと、どんな症状が出るの?

    通常、全く症状は出ません。
    例外として、眼圧が非常に高い場合は「目の痛み」や「かすみ」等が自覚される場合がありますが…。

    睡眠不足や目の酷使は眼圧に影響しますか?

    どちらも健康上よろしくはありませんが、眼圧への影響はありません。

    眼圧は何が原因で高くなるの?

    多くの場合、原因はありません。
    一部の患者さんでは、ブドウ膜炎などの目の炎症や、眼底の血流不全、ステロイド薬使用などが原因の場合があります。
    また、茶目(虹彩)と黒目(角膜)の隙間が狭いタイプの目の人の場合、閉塞隅角緑内障の可能性があります。
    これらの場合は治療方法が変わってきます。

    症状がなければ放置しても構いませんか?

    いいえ。眼科を受診してください。

    次にOCTという器械で視神経にダメージが生じているか否かを調べます。また、パソコン内蔵の自動視野計で視野の検査を行います。

    OCTや視野検査で異常がみつかれば「緑内障」、見つからなければ「高眼圧症」という診断になります。
    通常はOCTのほうが視野検査より早期に緑内障を発見できます。

    下記、フローチャートを参考にしてください。

    flowchart TB A(眼圧21mmHg以上) -->B(原因となる疾患の有無) B -->|"ぶどう膜炎 眼底疾患 ステロイド使用等"| C(続発性緑内障)--> T1(治療) B -->|なし| D(隅角の形状) D -->|閉塞型| E[閉塞隅角緑内障]--> T2(治療) D -->|開放型| F(OCT所見) F --> |所見あり| G(解放隅角緑内障)--> T3(治療) F --> |所見なし| H(高眼圧症)--> T4(治療または経過観察) style C fill:#fff,stroke:#f66,stroke-width:4px style G fill:#fff,stroke:#f66,stroke-width:4px style E fill:#fff,stroke:#f66,stroke-width:4px style H fill:#fff,stroke:#f66,stroke-width:4px subgraph 診断 C G E H end

    上記はあくまで概要です。診断・治療については、眼科医で診察をうけてご相談ください。

    「緑内障」と「高眼圧症」の治療について教えてください。

    「緑内障」と判定された場合は進行状況(主に視野検査で評価します)や眼圧レベルに応じて、適切な治療を選択します。ほとんどの場合は目薬での治療ですが、手術が望ましい場合もあります。

    「高眼圧症」の場合は、年齢や眼圧の数値などを考慮し、目薬による治療開始か、経過観察かを選択します。一応の目安として若くて健康な人でも眼圧が25mmHg以上、強度近視や中高年の人であれば、25mmHg未満でも治療が望ましい場合があります。

    また、高眼圧の原因が「ぶどう膜炎」や「網膜の血行不全」や「ステロイド使用」などであれば、並行してそれらの治療もおこないます。

    緑内障という病気は
    「相当進行するまで自覚症状がない」そして「失われた視野を回復することは不可能」なので早期発見が重要です。

    高眼圧は緑内障の原因となります。
    眼圧は「目薬で下げる」ことができます。 
    早期発見で緑内障の進行を予防しましょう。