閉塞隅角とは

「閉塞隅角(または浅前房)」と指摘された

眼科を受診した際に「閉塞隅角(へいそくぐうかく)」または「前房が浅い」ので、緑内障に注意する必要があると指摘されることがあります。どういうことなのでしょうか?

閉塞隅角って何?

まず、「隅角は何か?」から説明します。

斜め方向からスリット光で撮った写真です

角膜と虹彩の間が「前房」、前房の隅が「隅角」です。

「正常な隅角」と「閉塞隅角」を比べてください

正常
閉塞隅角

閉塞隅角とは角膜と虹彩の間(前房)が非常に狭い目のことである。
閉塞隅角は50才以上で、特に女性で遠視の人に多い。こどもや白内障手術後の人にはない。

眼内の水は隅角から眼外へ排出されます。

正常
閉塞隅角

閉塞隅角の目は眼内の水 (房水) が眼外に抜けにくいため、眼圧が上昇しやすい。

閉塞隅角で眼圧が上昇したら、どのような症状が出ますか?

眼圧上昇には2パターンあります。「急性型」「慢性型」です。

急性型は「急性緑内障発作」と呼ばれています。
ある日突然、激しい「眼痛」「かすみ」「頭痛・吐き気」ではじまります
眼圧が50mmHg以上に上昇しており、発症後24時間以内に眼圧を下げる必要があります。数日放置すると失明する可能性があります。

慢性型は「慢性閉塞隅角緑内障」と呼ばれています。
眼圧が徐々に上昇するので、かなり眼圧が上がっても痛みはありません。徐々に視野が失われますが、末期に近づくまで自覚症状はありません
失われた視野は回復不能なので、早期発見が重要です

いずれのタイプも、一般的な緑内障(閉塞隅角でない)とは別の病気です(病名は緑内障でもほぼ同姓同名の別人)。

どのような治療をするのですか?

「急性型」も「慢性型」も手術がベストです。
その手術は「白内障手術」です。緑内障の治療が白内障手術?…… 白内障手術で隅角が広がり、閉塞隅角でなくなるからです。
その他、レーザーで虹彩に穴を開けるという治療もあります。

閉塞隅角と診断されたら、どのようなことに注意すればよいですか?

急性発作の予防は抗コリン剤を避けることです。
抗コリン剤は一部のかぜ薬・自律神経系の薬など多くの薬が該当します。また内視鏡の検査等でも用いられます。
医師・薬剤師に「閉塞隅角」であることを伝えましょう。

定期的な眼圧チェックを受けて慢性型になっていないか調べてもらいましょう(3~6か月毎をすすめます)。

緑内障発作の症状が出現したら、ただちに眼科を受診しましょう。

閉塞隅角と診断されたら
・抗コリン剤を避ける
・定期的に眼圧チェック!

・急性発作が起こったら、急いで眼科を受診

急性型も慢性型も、白内障手術で緑内障を予防できるので、早めに手術を行ったほうがよい場合もあります。