マイオピンのご案内
小児期に一旦近視になると、近視の度数は徐々に強くなっていき25歳くらいで落ち着きます。
度数の進行は出来るだけ抑えたほうが良い!
なぜなら近視の度数が上がるにつれ、中年以降に緑内障をはじめ、網膜疾患のリスクが高くなることがわかっているためです。


マイオピンは、医学的に近視進行の抑制効果が確認された唯一の目薬です
マイオピンの成分は、アトロピンです。
アトロピンは、大昔から医療現場で使われてきました。眼科でも、目薬として、検査や治療に処方しています。
アトロピンが近視進行抑制に効果があることは昔から想定されていました。何故なら、近視発症には、近方をみるときに働く毛様体筋(ピント調節筋)の酷使が関わっているからです。ですから、目薬の力で毛様体筋を休ませてしまえば、近視が予防できるということになります。ただし、これはあくまで理論であり、また、薬剤として処方可能な目薬は、1%という濃度で、一回点眼すると1週間くらい、まぶしくピントが合わないという副作用があり、実用的ではありませんでした。(注1)
2000年頃からシンガポールなどから、アトロピンの近視抑制に関する論文があいつぎ、0.01%というごく薄い濃度のアトロピンが非常に有効と報告されました。その後、日本でも、0.01%のアトロピンに関する大学病院等の7ヶ所の医療機関による大規模な疫学研究が行われ、2019年に結果が公表されました。日本でも0.01%のアトロピンの効果は証明されましたが、有効性はシンガポールの結果ほどではありませんでした。
しかし、その他の研究によれば、0.025%の濃度のものは日本の研究で使用されたもの(0.01%)に比べ、さらに効果があることが証明されました。
注1:マイオピン(低濃度アトロピン)による近視進行抑制効果は、現在は抗ムスカリン作用によると考えられている
マイオピンご希望の方へ
現在、0.01%と0.025%のアトロピンはシンガポールの会社がマイオピンという名称で販売しています。日本で商標登録済みですが、保険適応はありません。患者さん自身が個人輸入で購入することはできず、眼科医が代理店を通してシンガポールの会社から購入し、患者さまに販売するという形式をとっています。
当院としては、保険適応がないということもあり、これまで情報提供のみ行ってまいりました。が、実際にご要望もあり、金沢市内等の近隣の眼科を紹介したこともありました。そこで、ご不便をおかけするよりは‥‥と、当院で取り扱うことといたしました。尚、全国的には数多くの眼科で販売されています。
保険外診療ですので、診察料は自費となります。
0.01%と0.025%のどちらを選ぶかですが、一部まぶしさを感じられる場合がありますので、初回は、0.01%でスタートし、2回目以降は、0.025%がよろしいかと思います。
継続期間については、一応目安は2年間です。
詳細についてはお問合せください。